Ling 3.0 tiny を動かすPCスペック(必要VRAM・メモリ・速度の目安)
総8BのMoEでMIT。GPUなしのPCやメモリ16GBのノートでも軽い
編集部の見立て
総7.89Bのうち1トークンで動くのが1.3BだけのMoEで、inclusionAIは推論とエージェント用途を低い計算コストで回すことを狙いに掲げています。ライセンスはMIT。4bitの重みに8kトークンの文脈を足して5.3GBなので、6GBのRTX 2060でも推定169.2tok/sが出ます。
GPUのないメモリ8GBのDDR4機でも、Q4_K_Mのまま推定16tok/s。同じ8B級のdense型を重く感じていたノートの持ち主が、最初に入れる候補として筋の良い1本です。
量子化別の必要メモリ
ファイルサイズは Hugging Face(bartowski/Ling-3.0-tiny-GGUF) に置かれている実際のファイルサイズです。KVキャッシュ(会話の作業メモリ)は8,192トークン・fp16として、モデルの構造(24層・KVを圧縮するMLA方式・文脈全体を見る層は6層だけ)から計算しています。必要メモリの合計には計算用のバッファも含めています。
| 量子化 | ファイル | KVキャッシュ(8k) | 必要合計 | GPUなら | Macなら |
|---|---|---|---|---|---|
| 2bit(IQ2_M) 品質劣化大。最後の手段 | 2.6GB | 0.1GB | 3.3GB | VRAM 4GB〜 | 8GB〜 |
| 2bit(Q2_K) 品質劣化大。最後の手段 | 2.8GB | 0.1GB | 3.5GB | VRAM 4GB〜 | 8GB〜 |
| 3bit(Q3_K_M) メモリ優先 | 3.5GB | 0.1GB | 4.2GB | VRAM 6GB〜 | 8GB〜 |
| 3bit(IQ3_M) メモリ優先 | 3.7GB | 0.1GB | 4.4GB | VRAM 6GB〜 | 8GB〜 |
| 4bit(IQ4_XS) Q4_K_Mより一回り小さい | 4.1GB | 0.1GB | 4.8GB | VRAM 6GB〜 | 8GB〜 |
| 4bit(Q4_K_M) 標準。迷ったらこれ | 4.6GB | 0.1GB | 5.3GB | VRAM 6GB〜 | 8GB〜 |
| 5bit(Q5_K_M) 品質重視 | 5.3GB | 0.1GB | 6.1GB | VRAM 8GB〜 | 16GB〜 |
| 6bit(Q6_K) ほぼ無劣化 | 6.4GB | 0.1GB | 7.2GB | VRAM 8GB〜 | 16GB〜 |
| 8bit(Q8_0) 無劣化に近い | 7.8GB | 0.1GB | 8.7GB | VRAM 10GB〜 | 16GB〜 |
| 16bit(BF16) 元精度 | 15GB | 0.1GB | 16GB | VRAM 20GB〜 | 24GB〜 |
モデルの構造と、必要メモリの増え方
Ling 3.0 tinyはinclusionAIが2026年8月に公開した7.89Bのモデルです。GGUFのヘッダには24層と書かれており、総パラメータ7.89Bのうち、1トークンの生成で実際に読むのは約1.3Bです(MoE)。メモリには全部を載せる必要がある一方、毎回読み出す量はアクティブパラメータのぶんで済むため、同じサイズのdense型より速く動きます。
KVを低ランク(rank 512)に圧縮するMLA方式です。同じ規模の一般的なモデルよりKVキャッシュが小さく済みます。1トークンあたりのKVキャッシュは約13KB(fp16)で、コンテキスト長にそのまま比例します。実際の値は、8,192トークンで0.1GB、学習時の上限131,072トークンまで伸ばすと1.6GBです。
ライセンス表記: mit(層数と窓の大きさはGGUFヘッダから取得)
このモデルを実際に使うなら
思考モードは既定でオン。軽い質問にも考える過程を挟むので、即答させたいときはリクエストごとにenable_thinkingをfalseにします。推奨のサンプリングはtemperature 1.0、top_p 0.95、top_k 20。構造は線形注意のKDA 3層にMLA 1層を重ねる新しい形で、GGUFで使うならllama.cpp側の対応版を確かめるのが先です。
KVを抱えるのはMLAの層だけで、1トークン13KB。32,768トークンに広げても、KVは約0.4GBにとどまります。6GBのRTX 4050 LaptopならQ4_K_Mと8kの文脈で推定116.1tok/s。ただ余白は0.2GBしかなく、長文を渡すならIQ4_XS(4.1GB)に下げましょう。Llama 3.1 8Bと比べると、毎回動く量は6分の1ほど。
このモデルの系統
GGUFヘッダに書かれたアーキテクチャはbailingmoe3で、当サイト収録の204モデル中2本が同じ系統です。ツール側の対応状況は、使う前に確認しておくと確実です。
配布元はbartowski/Ling-3.0-tiny-GGUF、元になったモデルはinclusionAI/Ling-3.0-tinyです。
同じinclusionAIのモデルでは、サイズの近いものにUI-Venus-2 9B(8.95B)、Ling 3.0 flash(127.49B)があります。
コンテキスト長を伸ばすと必要メモリはどう増えるか
長い文書を渡す、会話を続ける、コードベース全体を読ませる。こうした使い方ではコンテキスト長を伸ばしますが、その分KVキャッシュがメモリを食います。4bit(Q4_K_M)(4.6GB)を前提に、コンテキスト長ごとの必要メモリを計算しました。MLA(圧縮KV)採用のため、長いコンテキストでもKVが小さく収まります。
| コンテキスト | KVキャッシュ | 必要合計 | 必要なGPU | 必要なMac |
|---|---|---|---|---|
| 4,096 | 0.0GB | 5.3GB | VRAM 6GB〜 | 8GB〜 |
| 8,192既定 | 0.1GB | 5.3GB | VRAM 6GB〜 | 8GB〜 |
| 16,384 | 0.2GB | 5.4GB | VRAM 6GB〜 | 16GB〜 |
| 32,768 | 0.4GB | 5.6GB | VRAM 8GB〜 | 16GB〜 |
| 65,536 | 0.8GB | 6.0GB | VRAM 8GB〜 | 16GB〜 |
| 131,072 | 1.6GB | 6.8GB | VRAM 8GB〜 | 16GB〜 |
KVキャッシュをq8_0に量子化すると、32,768トークンでのKVは約0.4GBから約0.2GBに減ります(品質はわずかに落ちます)。
同じサイズ帯の他のモデル
| モデル | 開発元 | 4bitで必要 | 一言 |
|---|---|---|---|
| Llama 3.1 Swallow 8B | Swallow(東京科学大学・産総研) | 6.2GB | Llama 3.1 8Bの日本語強化版(v0.5)。VRAM 8GB |
| DeepSeek-R1 Distill Llama 8B | DeepSeek | 6.2GB | R1をLlama 8Bに蒸留した推論型。4bitならVRAM 8GBに収まる |
| Command R7B | Cohere | 6.0GB | Cohereの7B。研究用途向けライセンス(CC BY-NC)。GPUなしのメモリ16GBのPCでも動く |
| Aya Expanse 8B | Cohere | 6.4GB | 日本語を含む23言語向けの8B。CC BY-NC。GPUなしのメモリ16GBのPCでも動く |
| Llama 3 Youko 8B | rinna | 6.2GB | rinnaがLlama 3 8Bに日本語を追加学習。GPUなしのメモリ16GBのPCでも動く |
| Llama 3.1 8B | Meta | 6.2GB | 英語圏の基準モデル。日本語はQwenに劣る |
4bit(Q4_K_M)が動く機種と推定速度
4bit(Q4_K_M)なら137機種で20 tok/s以上、4機種で8〜20 tok/s(テキスト生成の推定・計算方法)。
快適 20 tok/s以上(137機種)
- GeForce RTX 5090 約770 tok/s補正済み
- GeForce RTX 4090 約490 tok/s補正済み
- Apple M5 Ultra(96GB) 約490 tok/s推定
- Apple M5 Ultra(256GB) 約490 tok/s推定
- Apple M5 Ultra(512GB) 約490 tok/s推定
- GeForce RTX 5080 約480 tok/s補正済み
- GeForce RTX 5080 Laptop 約480 tok/s推定
- GeForce RTX 5070 Ti 約470 tok/s補正済み
- RTX 6000 Ada 約470 tok/s補正済み
- GeForce RTX 3080 12GB 約460 tok/s推定
- GeForce RTX 3080 Ti 約460 tok/s推定
- GeForce RTX 3090 Ti 約450 tok/s補正済み
- GeForce RTX 3090 約420 tok/s補正済み
- GeForce RTX 5090 Laptop 約420 tok/s補正済み
- Radeon RX 7900 XTX 約400 tok/s推定
- GeForce RTX 4080 SUPER 約390 tok/s補正済み
- GeForce RTX 4080 約380 tok/s補正済み
- GeForce RTX 3080 10GB 約370 tok/s補正済み
- GeForce RTX 5070 Ti Laptop 約360 tok/s推定
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER 約350 tok/s補正済み
- Apple M5 Max(48GB) 約350 tok/s補正済み
- Apple M5 Max(64GB) 約350 tok/s補正済み
- Apple M5 Max(128GB) 約350 tok/s補正済み
- GeForce RTX 5070 約340 tok/s補正済み
- Radeon RX 7900 XT 約330 tok/s推定
- Apple M2 Ultra(64GB) 約330 tok/s補正済み
- Apple M2 Ultra(128GB) 約330 tok/s補正済み
- Apple M2 Ultra(192GB) 約330 tok/s補正済み
- Apple M3 Ultra(96GB) 約320 tok/s補正済み
- Apple M3 Ultra(256GB) 約320 tok/s補正済み
- Apple M3 Ultra(512GB) 約320 tok/s補正済み
- GeForce RTX 4090 Laptop 約310 tok/s推定
- GeForce RTX 3070 Ti 約310 tok/s推定
- Apple M5 Max(36GB) 約300 tok/s補正済み
- Apple M1 Ultra(64GB) 約300 tok/s補正済み
- Apple M1 Ultra(128GB) 約300 tok/s補正済み
- GeForce RTX 2080 Ti 約290 tok/s補正済み
- GeForce RTX 3080 Ti Laptop 約270 tok/s推定
- Apple M4 Max(48GB) 約270 tok/s補正済み
- Apple M4 Max(64GB) 約270 tok/s補正済み
- ほか97機種
実用 8〜20 tok/s(4機種)
- 一般的なデスクトップ/ノートPC(DDR4-3200・GPUなし)(メモリ8GB) 約16 tok/s推定
- 一般的なデスクトップ/ノートPC(DDR4-3200・GPUなし)(メモリ16GB) 約16 tok/s推定
- 一般的なデスクトップ/ノートPC(DDR4-3200・GPUなし)(メモリ32GB) 約16 tok/s推定
- 一般的なデスクトップ/ノートPC(DDR4-3200・GPUなし)(メモリ64GB) 約16 tok/s推定
遅い 動くが遅い(0機種)
- なし
メモリに一部を逃がせば動く(1機種・CPUオフロード、PCのメモリ32GB想定)
- GeForce RTX 3050 Laptop 約54 tok/s推定
動かない機種(0)を見る
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Ling 3.0 tinyは4bit(IQ4_XS)で4.1GB、8bitのQ8_0なら7.8GB。精度違いを3種類そろえるだけで約11GB使います。何本か試すうちに、まず内蔵SSDが先に埋まります。Macは内蔵を増設できないので外付けが前提です。
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RTX 5070(12GB)デスクトップ・メモリ32GB
SDXLの画像生成が快適。14BクラスのローカルLLMがGPUだけで動く
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Macで同じ仕事をするなら
よくある質問
Ling 3.0 tinyを動かすのに必要なVRAMは?
4bit量子化(4bit(Q4_K_M))でファイル4.6GB、8,192トークンのKVキャッシュを含めて約5.3GBが必要です。GPU単体ならGeForce RTX 3060 Laptop(VRAM 6GB)から実用速度で動きます。
Ling 3.0 tinyはMacで動く?
動きます。ユニファイドメモリ8GB以上のApple Silicon(例: Apple M2(8GB))なら、4bit量子化で実用的な速さが出ます。
このクラスの選び方: ローカルLLM(8Bクラス)に必要なPC / MacかWindowsか