Arc BシリーズでローカルAIはどこまで動くか(2026年10月)
Intelの単体GPU。価格あたりのVRAMが多い一方、対応ソフトはまだ限られます。当サイトの204モデルのデータベースで、シリーズ内の各機種で何本動くかを並べました。
| 機種 | VRAM | 帯域幅 | 動くモデル | 快適に動く | 動く最大 |
|---|---|---|---|---|---|
| Intel Arc B570 | 10GB | 380 GB/s | 92 / 204 | 92 | Ministral 3 14B |
| Intel Arc B580 | 12GB | 456 GB/s | 100 / 204 | 100 | ABEJA Qwen3 14B Agentic |
Arc BをAI用途で見ると
Intelの単体GPUです。価格あたりのVRAM容量が多く、llama.cppもSYCL・Vulkanで動きます。ただし対応ソフトの幅はNVIDIAに遠く及ばず、情報も少ないため、動かすまでに調べる時間がかかります。
安く容量を確保したい人向けです。トラブルを自分で調べて解決できるかどうかが、この選択が向くかどうかの分かれ目になります。
容量を一段上げると何本増えるか
このシリーズの中で、VRAMの容量ごとに4bit以上で動くモデル数がどう変わるかです。同じ容量の機種が複数ある場合は、最も多く動く機種の値を採っています。
| 容量 | 4bit以上で動く | 一段下との差 | その容量で動く最大のモデル |
|---|---|---|---|
| 10GB | 92 / 204 | — | Ministral 3 14B(13.51B) |
| 12GB | 100 / 204 | +8本 | ABEJA Qwen3 14B Agentic(14.77B) |
差がいちばん大きいのは10GBから12GBへの一段で、ここで8本増えます。予算を積む余地があるなら、この段を越えられるかどうかが分かれ目です。
このシリーズで勧めやすい構成
B580(12GB)が、価格あたりのVRAM容量では際立っています。llama.cppはSYCLとVulkanで動き、8Bから14Bクラスの言語モデルなら実用の範囲に入ります。安く容量を確保したい人向けの選択肢です。
避けたい選び方
情報が少なく、動かすまでに調べる時間がかかります。トラブルを自分で解決できるかどうかが、この選択が向くかどうかの分かれ目です。仕事で使う機材として、期日が決まっている場面には勧めにくい構成です。
買うときの見どころ
ドライバの更新で性能が大きく変わることがある製品群です。使いたいツールのIntel GPU対応状況を購入前に確認し、動いた時点のドライバ版数を控えておきましょう。新品でも価格が手頃なので、中古を探す必要は薄い帯です。
このシリーズで何ができるか
手元で動かすAIの用途ごとに、このシリーズの何機種が要件を満たすかです。クラウドで動くAI(ChatGPT・Claude・Gemini)はどの機種でも使えるので含めていません。
| 用途 | 必要な容量 | このシリーズでは |
|---|---|---|
| Stable Diffusion / SDXL | VRAM 12GB | CUDA前提のツールが多く不向き |
| FLUX / 高品質画像生成 | VRAM 16GB | CUDA前提のツールが多く不向き |
| 動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX) | VRAM 24GB | CUDA前提のツールが多く不向き |
| ローカルLLM(8Bクラス) | VRAM 8GB | 2機種(最小はIntel Arc B570) |
| ローカルLLM(27〜32Bクラス) | VRAM 24GB | このシリーズでは容量が足りない |
| ローカルLLM(70B〜120B MoE) | VRAM 40GB | このシリーズでは容量が足りない |
| 文字起こし(Whisper) | VRAM 6GB | 2機種(最小はIntel Arc B570) |
速度の数字をどれだけ信用してよいか
このシリーズの2機種のうち、llama.cppの公開ベンチマークで速度を補正できているのは0機種です。残りは同系統の係数を流用した推定で、表では「補正済み」「推定」の印で区別しています。帯域幅は380〜456GB/sの幅があり、上下で約1.2倍。同じモデルを載せたときの生成速度も、おおむねこの比に沿って開きます。
買う前に確認すること: ドライバの更新で性能が大きく変わることがあります。使いたいツールのIntel GPU対応状況を、購入前に必ず確認してください。
量子化を落とすと、どこまで動くか
このシリーズの上位機(Intel Arc B580・VRAM12GB)で、標準の4bitでは溢れるものの、より小さい量子化にすれば収まるモデルです。8本あり、最大はNorth Mini Code 1.0(30.48B)。ファイルが小さくなるぶん回答の品質は少し落ちますが、CPUオフロードで待たされるよりは実用的なことが多い選択肢です。
| モデル | パラメータ | 落とすなら | 必要 | 推定速度 |
|---|---|---|---|---|
| North Mini Code 1.0 | 30.48B | 2bit(IQ2_M) | 10GB | 約130 tok/s推定 |
| Gemma 3 27B | 27.01B | 2bit(IQ2_M) | 11GB | 約27 tok/s推定 |
| AREX-2 27B | 26.9B | 2bit(Q2_K) | 11GB | 約25 tok/s推定 |
| UI-Mate 27B | 26.9B | 2bit(IQ2_M) | 11GB | 約25 tok/s推定 |
| Fara1.5 27B | 26.9B | 2bit(IQ2_M) | 11GB | 約25 tok/s推定 |
| Qwen3.6 27B | 26.9B | 2bit(IQ2_M) | 11GB | 約25 tok/s推定 |
| Qwen3.5 27B | 26.9B | 2bit(IQ2_M) | 11GB | 約26 tok/s推定 |
| Gemma 4 26B-A4B | 25.23B | 2bit(IQ2_M) | 10GB | 約92 tok/s推定 |
それでも収まらないモデルのうち、いちばん惜しいのはShisa V2.1 Llama 3.3 70Bで、VRAMがあと約32GB足りません。ここから先は、容量の大きい機種に替えるか、システムメモリへのオフロードを受け入れるかの判断になります。
同じ容量を別の系統で買うなら
VRAM12GBという容量は、他の系統でも手に入ります。動くモデルは同じで、差が出るのは速度と、CUDAが要るツールを使えるかどうかです。
| 機種 | シリーズ | 帯域幅 | この機種比 |
|---|---|---|---|
| GeForce RTX 3080 12GB | RTX 30 | 912 GB/s | 2.00倍 |
| GeForce RTX 3080 Ti | RTX 30 | 912 GB/s | 2.00倍 |
| GeForce RTX 5070 | RTX 50 | 672 GB/s | 1.47倍 |
| GeForce RTX 5070 Ti Laptop | RTX 50 Laptop | 672 GB/s | 1.47倍 |
このシリーズの選びどころ
入口: Intel Arc B570(10GB)で92モデル。バランス: Intel Arc B580(12GB)で100モデル、その中で快適に動くのは100本。上限: Intel Arc B580(12GB)で100モデル。同じシリーズ内では容量の差がそのまま動くモデル数の差になり、帯域幅の差は速度に効きます。
代表的なモデルが動くか
よく使われる5本について、シリーズ内の各機種で4bit以上の量子化がメモリに収まるかどうかです。◯は収まる、△は量子化を落とせば収まる、×は収まりません。速度は推定値です。
| 機種 | Qwen3 8B 8.19B | Gemma 3 12B 11.77B | Gemma 3 27B 27.01B | gpt-oss-20b 20.91B | Llama 3.3 70B 70.55B |
|---|---|---|---|---|---|
| Intel Arc B570 | ◯ 31 tok/s | ◯ 26 tok/s | × | × | × |
| Intel Arc B580 | ◯ 29 tok/s | ◯ 27 tok/s | △ 27 tok/s | × | × |
容量ごとの詳細
他のシリーズと比べる
| シリーズ | 最上位の機種 | 容量 | 帯域幅 | 動くモデル |
|---|---|---|---|---|
| Arc B(このページ) | Intel Arc B580 | 12GB | 456 GB/s | 100 |
| RTX 50 | GeForce RTX 5090 | 32GB | 1792 GB/s | 162 |
| RTX 40 | GeForce RTX 4090 | 24GB | 1008 GB/s | 158 |
| RTX 30 | GeForce RTX 3090 | 24GB | 936 GB/s | 158 |
| RTX 20 | GeForce RTX 2060 12GB | 12GB | 336 GB/s | 100 |
| RTX Ada | RTX 6000 Ada | 48GB | 960 GB/s | 174 |
| RTX 50 Laptop | GeForce RTX 5090 Laptop | 24GB | 896 GB/s | 158 |
よくある質問
Arc BシリーズでAI用途に選ぶならどれ?
VRAMの容量で決まります。当サイトのデータでは、Intel Arc B580が100モデル(その中で快適に動くのは100本)で、容量あたりの選択肢が広い位置です。Intel Arc B580なら100モデルまで広がります。
Arc Bで動く最大のモデルは?
Intel Arc B580でABEJA Qwen3 14B Agentic(14.77B)まで4bitで動きます。
同じ型番でVRAM容量が違うことはありますか?
あります。RTX 4060 Tiは8GB版と16GB版、RTX 3080は10GB版と12GB版があり、AI用途では別物として扱う必要があります。購入時は型番の末尾の容量まで確認してください。