動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX) に必要なPCスペックと、合うPC・Mac(2026年10月)
ローカルの動画生成はVRAM 24GBからが実用ラインで、16GBは「短く小さく作るなら動く」下限です。画像生成と決定的に違うのは、フレーム数ぶんの中間データを同時に抱えること。5秒の動画でも16GBを使い切ります。
生成が始まると数分から数十分はGPUが100%で張り付くので、冷却と電源の余裕がそのまま仕上がりの速さを左右します。CUDA前提のツールが大半で、Macは現時点では勧められません。
どこで何が動いているか
Wan、HunyuanVideo、LTX-Video、CogVideoXなどのローカル動画生成は、画像生成の延長ではなく別次元の負荷です。モデルが大きい(十数GB)うえに、フレーム数×解像度分の中間データをVRAMに保持するため、5秒の動画でも16GB以上のVRAMを使い、生成には数分〜数十分かかります。
その間GPUは100%で張り付き、消費電力と発熱が続きます。VRAM 24GB(RTX 4090)が実用ライン、32GB(RTX 5090)でようやく余裕。ノートPCや小型ケースでは冷却が追いつかず、電源容量も問われます。CUDA前提のツールがほとんどで、Macは現時点で推奨できません。
画像生成で満足していたRTX 5070(12GB)機で動画に手を出し、1本目が終わらないまま諦める、というのが最も多い経過です。
手元のPCで実際に起きていること
数秒の動画を作るのに数GB〜十数GBのモデルとフレーム分のメモリを使い、生成のあいだGPUが数分〜数十分フル稼働します。VRAM 16GBで小さな設定なら動き、実用は24GB以上(RTX 4090 / 5090)。CUDA前提でMacは現時点で勧めません。長時間回すので冷却と電源も重要。
必要なリソース(最低ライン)
最低・快適・余裕の3段階
| 段階 | 構成の目安 | できること |
|---|---|---|
| 最低 | VRAM 16GB・メモリ32GB・電源750W | 低解像度・短尺・量子化モデルで動く。1本に10分以上 |
| 快適 | VRAM 24〜32GB(RTX 4090 / 5090)・メモリ64GB・NVMe 2TB・電源1000W | 標準設定で実用。夜間にまとめて生成する使い方もできる |
| 余裕 | RTX 5090+メモリ128GB+NVMe 4TB・ワークステーション筐体 | 高解像度・長尺・複数ジョブの連続実行 |
計算例: 実際に何GB要るか
Wan 2.1の14Bモデルで480p・5秒(81フレーム)を生成する場合。モデル本体(fp8)で14GB、テキストエンコーダで5GB(メインメモリに逃がせる)、VAEで0.5GB、フレームの中間データで6〜10GB。VRAMだけで20〜25GB。RTX 4090(24GB)で標準設定がぎりぎり、RTX 5090(32GB)で余裕。
VRAM 16GBでは量子化モデル(Q4〜Q5)とフレーム数の削減で12〜14GBに抑える必要があり、1本に15〜20分。消費電力はRTX 5090で生成中575W、1本20分なら約0.2kWh、100本で約620円。電気代より冷却と電源のほうが問題です。
よくある誤解
「画像生成が動くPCなら動画生成も動く」別物です。動画は時間方向のフレームを同時に保持するため、必要なVRAMが跳ね上がります。SDXLが快適な12GBの機種でも、動画生成では解像度と長さを削ることになります。
「Macでも同じようにできる」現状は不利です。動画生成のツールはCUDA前提で作られているものが多く、Apple Silicon対応は限定的です。この用途を主目的にするならGeForce搭載機を選びましょう。
よくある失敗
- VRAM 12GBの「画像生成用PC」で動画に手を出して、生成が終わらない
- 電源650Wの既製PCにRTX 5090を載せる。電源交換が必要
- 小型ケースで長時間回し、サーマルスロットリングで速度が落ちる。エアフローと冷却は動画生成では性能の一部
- 素材と生成物でSSDが即座に埋まる。動画は4TB級を前提に
- Macで動画生成をやろうとして対応ツールがない
MacかWindowsか
Windows/Linux+GeForce一択です。MacはCUDA非対応で、対応ツールがあっても速度が数分の一。動画生成が目的でMacを買うのは避けたほうが確実です。
買う前のチェックリスト
- VRAM 24GB以上(RTX 4090 / 5090)。16GBは「試す」用
- 電源1000W以上、ATX 3.1対応(RTX 5090は575W)
- ケースのエアフローと、GPUの物理サイズ(全長30cm超)が入るか
- メインメモリ64GB、NVMe 2TB以上(素材と生成物)
- 冷却と騒音を許容できる置き場所か
編集部メモ: ローカル動画生成は、当サイトの推奨エンジンで唯一「Macに要件を満たす機種がない」と表示する用途です。それくらいGeForceが前提の用途です。月に数本試すだけなら、クラウドGPUの時間課金のほうが安く済みます。ローカルに投資する判断基準は「月に数十本以上、または夜間にバッチで回す」かどうか。そこを超えたらRTX 5090機が正解です。
関連するページ
動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)に要るのは、CPU 8コア・メモリ64GB・NVMe 2TB、GPUはVRAM 24GB(Macならユニファイド64GB)という水準でした。この数字を持ったまま、別の角度から裏を取れるページを並べます。用語で詰まったら用語集へ。
| 知りたいこと | ページ |
|---|---|
| その容量で何が動くか | VRAM 24GBで動くモデル ・ Mac 64GBで動くモデル |
| 予算から構成を選ぶ | 予算別のおすすめ(10万〜100万円) |
| 使うソフトの推奨スペック | ツール別(Ollama・LM Studio・ComfyUIほか) |
| GPUやチップのシリーズで比べる | シリーズ別の対応表 |
| 量子化の形式を選ぶ | 量子化の種類と必要メモリ |
| 用語の意味を確認する | AI用PCの用語集(29語) |
| 会社で導入する場合の考え方 | 法人・業務でAIを使うPC選び |
| いま何が動くようになっているか | ローカルLLMの現在地(データレポート) |
予算別にどれを選ぶか
動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)を使うという条件だけで、予算ごとに選べる構成が変わります。要件を満たす中で最も手頃なものを並べました。価格は2026年10月時点の目安です。
| 予算 | この用途を満たす最も手頃な構成 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 10万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 15万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 20万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 30万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 40万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 60万円まで | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB | 55〜75万円 | 動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習 |
| 100万円まで | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB | 55〜75万円 | 動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習 |
要件を満たす中で最も安いのはRTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB(55〜75万円)です。同じ予算でも形(ノート・BTO・自作・Mac・常時稼働)で選べるものが変わります。予算別のページで各価格帯の全構成を確認できます。
1年後を見据えるなら
動画生成は最も変化の速い分野で、必要なVRAMも上がり続けています。今24GBで足りていても、長尺化・高解像度化で足りなくなる可能性が高い。RTX 5090(32GB)を選んでも数年で窮屈になると見込んで、電源とケースに余裕を持たせておきましょう。逆に言えば、様子を見てから買うほうが有利な領域でもあります。
PCを買わずに済ませる選択肢
クラウドGPUの時間課金が有力な選択肢です。動画生成は使う時間が短く集中するので、常時所有するより借りるほうが安く済むケースが多い。月に数十本作るようになってから、ローカルに移る判断をしても遅くありません。RTX 5090搭載機の55〜75万円は、クラウドGPUの数年分に相当します。
させたい仕事を足すと、要件はどう変わるか
動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)単体の要件(CPU 8コア・メモリ64GB・VRAM 24GB・SSD 2TB)に、仕事を1つ足したときの変化です。上がる軸だけを示します。
| 足す仕事 | 上がる要件 | その結果 |
|---|---|---|
| 文章・資料・メール作成 | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| プログラミング・開発 | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| 自動タスク・エージェントの常時運用 | CPU 8→12コア・常時稼働が必要に | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| イラスト・画像生成 | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| 動画生成・編集 | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| 議事録・文字起こし | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| データ分析・Excel/Python | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| 社内文書の検索・要約(ローカルRAG) | 変わらない | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
形態別のおすすめ
PR: 以下はAmazonアソシエイトの広告リンクを含みます。価格の目安は執筆時点のもので変動します。価格・在庫はリンク先でご確認ください。
GPUノート(RTX 5080 Laptop 16GB・メモリ64GB)
ノート1台でFLUX・27BクラスのローカルLLM・並列エージェントまで
RTX 5080 Laptop(VRAM 16GB)・メモリ64GB・NVMe 2TB ・ 目安 38〜55万円
この形態に要件を満たす機種がありません: VRAM 24GB以上が必要
RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB
動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習。GPU 1枚で届く上限
RTX 5090(VRAM 32GB・1,792GB/s)・メモリ64GB・NVMe 2TB・電源1000W ・ 目安 55〜75万円
デスクトップ(BTO)で動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)を使うなら
Mac Studio M4 Max(メモリ128GB・SSD 2TB)
gpt-oss-120bやQwen3.5 122Bがメモリに収まり、帯域546GB/sで実用的な速さが出る。個人向けローカルLLMの本命
M4 Max・ユニファイドメモリ128GB・SSD 2TB ・ 目安 62〜72万円
この形態に要件を満たす機種がありません: CUDA前提のツールが多くMacは不向き
ワークステーション(RTX 5090・メモリ128GB・SSD 4TB)
動画生成・学習ジョブを夜通し回す。ECC・高耐久電源・保守付きのBTOワークステーション
Core Ultra 9 / Ryzen 9 / Threadripper・メモリ128GB・RTX 5090・NVMe 4TB・電源1200W ・ 目安 75〜110万円
常時稼働サーバー型で動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)を使うなら
自作: RTX 5090(32GB)・メモリ96GB
動画生成・学習・32BクラスのLLM。メモリ96GBあれば、大型のMoE型を一部メインメモリに逃がして動かせる
Ryzen 9 9950X・DDR5 48GB×2・RTX 5090・NVMe 4TB・電源1000W・大型ケース ・ 目安 60〜80万円
自作で動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)を使うなら
させたい仕事を足して絞り込む
よくある質問
RTX 5080(16GB)で動画生成はできる?
量子化モデルと短尺なら動きます。ただし実用的に回すには24GB以上が欲しく、5080は「試す」ための容量です。
クラウドGPUを借りるのとどちらが安い?
月に数十本以上作るならローカルの元が取れます。たまに試す程度ならクラウドGPU(時間課金)のほうが安い。
動画編集ソフトのAI機能(自動字幕・切り抜き)も同じ要件?
違います。それらはVRAM 8GBで快適に動きます。重いのは「動画を生成する」AIだけです。
RTX 4090(中古)とRTX 5090ではどちら?
5090はVRAM 32GBと帯域1,792GB/sで、4090(24GB・1,008GB/s)より一段余裕があります。標準設定のWan 14Bが4090ではぎりぎりなので、新規に買うなら5090。すでに4090を持っているなら量子化モデルで十分に実用です。
動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)にはどんなPCが合う?
ノートPC: GPUノート(RTX 5080 Laptop 16GB・メモリ64GB)。デスクトップ(BTO): RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB。Mac: Mac Studio M4 Max(メモリ128GB・SSD 2TB)。常時稼働サーバー型: ワークステーション(RTX 5090・メモリ128GB・SSD 4TB)。自作: 自作: RTX 5090(32GB)・メモリ96GB
関連: AI時代のPC選び 5つの軸 / ローカルLLMに必要なPCスペック / MacかWindowsか / メモリ16・32・64GBの差