ローカルLLM(27〜32Bクラス) に必要なPCスペックと、合うPC・Mac(2026年10月)
27〜32BクラスはVRAM 24GB、Macならメモリ48GBが基準線です。4bitで15〜21GB、そこにKVキャッシュが乗るので、VRAM 16GBでは標準的な量子化だと収まりません。抜け道はMoE型です。
Qwen3 30B-A3Bやgpt-oss-20bは1トークンあたりに動くパラメータが小さく、VRAM 16GB・Mac 32GBでも実用速度が出ます。dense型(MoEではない通常の構造)かMoE型かで必要なPCが1ランク変わる、というのがこの帯の勘所。
どこで何が動いているか
27〜32Bクラス(Gemma 3 27B、Qwen3 32B、Qwen3.5 27B、Mistral Small 24B)は、ローカルで「クラウドに近い賢さ」を感じられる現実的な上限帯です。4bit量子化でファイルは15〜21GB。KVキャッシュと合わせると、単体GPUではVRAM 24GB(RTX 3090 / 4090)か32GB(RTX 5090)が必要で、16GBのGPUには載りきりません。
Macならユニファイドメモリ48GB以上(M4 Pro)で実用速度です。別解として、MoE型のQwen3 30B-A3Bやgpt-oss-20bは総パラメータは大きくても一度に使う部分が小さく、VRAM 16GB / Mac 32GBでも速く動きます。「dense型の27Bか、MoE型の30Bか」で必要なPCが一段変わる、というのがこの帯の要点です。
手元のPCで実際に起きていること
「クラウドに近い賢さをローカルで」を狙うなら、現実的なのがこのクラスです。4bitで15〜21GB必要。GeForceならRTX 4090 / 5090(24〜32GB)、MacならM4 Pro 48GB以上。MoE型(Qwen3 30B-A3B・gpt-oss-20b)ならVRAM 16GB / Mac 32GBでも速く動きます。
必要なリソース(最低ライン)
最低・快適・余裕の3段階
| 段階 | 構成の目安 | できること |
|---|---|---|
| 最低 | VRAM 16GB+メモリ32GB(一部をメインメモリに逃がす)またはMoE型に切り替え | dense型の27Bは逃がした分だけ遅い。MoE型(30B-A3B・gpt-oss-20b)なら16GBで快適 |
| 快適 | VRAM 24GB(RTX 4090 / 3090)またはMac 48GB(M4 Pro) | 27〜32B Q4が丸ごとVRAMに載り、1秒に20〜35トークン |
| 余裕 | VRAM 32GB(RTX 5090)またはMac 64GB(M4 Max) | Q5〜Q6の高精度量子化、長いコンテキスト |
計算例: 実際に何GB要るか
Gemma 3 27BのQ4_K_M(15.4GB)を8,192トークンで動かすと、KVキャッシュは1.5GB(62層のうち会話全体を参照する層は10層だけで、残りは直近の範囲しか見ないので小さい)、バッファ1GB、合計17.9GB。RTX 5070 Ti(実効15.5GB)には2.4GB足りず、一部をメインメモリに逃がして1秒に約14トークン。
RTX 4090(実効23.5GB)には載って約40トークン。対してQwen3 30B-A3B(MoE)のQ4_K_M(17.3GB)は、KVキャッシュ1.5GBと合わせて19GBでRTX 5070 Tiには載りませんが、Mac mini M4 Pro 48GB(実効36GB)には余裕で載り、アクティブパラメータが3.3Bなので1秒に約60トークン。
同じ「30B」でもMoE型はdense型の倍以上速い。数字は当サイトのモデル別ページの推定値です。
よくある誤解
「VRAM 24GBあれば30Bクラスは余裕で動く」余裕ではありません。4bitで17〜20GB、コンテキストを32Kまで伸ばすとKVキャッシュが4〜6GB乗ります。合計25GB前後になり、24GBのGPUではあと数GB足りない場面が出ます。
「30Bはどれも同じくらいの速さ」構造で変わります。全パラメータを毎回読むdense型に対し、MoE型は1トークンごとに使う一部(アクティブパラメータ)だけを読むので倍以上速く動きます。同じ「30B」でも中身は別物です。
よくある失敗
- RTX 5070 Ti / 5080(16GB)でGemma 3 27B Q4をVRAMに載せようとして数GB溢れる。16GBはIQ4_XSやQ3か、MoEへ
- RTX 5080と5090の差を「速さ」だと思う。AI用途では16GBと32GBというVRAM容量の差が決定的
- Mac 32GBで32Bのdense型を動かそうとして実効メモリ不足。48GBが必要
- Q4を諦めてQ2で動かし、品質の低下に失望する。Q3以下は最後の手段
MacかWindowsか
この帯からMacの優位が出始めます。同じ予算でGeForce 24GBを積むより、Mac mini M4 Pro 48GBのほうがメモリに収まるモデルが大きく、静音です。速度はRTX 4090のほうが上(帯域1,008GB/s対273GB/s)。速さならGeForce、容量と静音ならMac。
買う前のチェックリスト
- dense型の27〜32Bを動かすならVRAM 24GB以上、またはMac 48GB以上
- MoE型(Qwen3 30B-A3B・gpt-oss-20b)で足りるならVRAM 16GB / Mac 32GBでも可
- メインメモリ32GB以上(VRAMから溢れた分の置き場になる)
- SSDの空き100GB以上(この帯は1本15〜25GB)
- 当サイトのモデル別ページで、狙うモデルのQ4が自分の機種で「動く」か確認した
編集部メモ: この帯で迷っている人には、まずgpt-oss-20bかQwen3 30B-A3Bを試すことをおすすめします。VRAM 16GB / Mac 32GBで速く動き、賢さは27Bのdense型に近い。それで足りれば、24GB以上のGPUやMac 48GBに払う数万〜十数万円が浮きます。足りないと分かってから上の機種を買っても遅くありません。
関連するページ
ローカルLLM(27〜32Bクラス)に要るのは、CPU 8コア・メモリ32GB・NVMe 1TB、GPUはVRAM 24GB(Macならユニファイド34GB)という水準でした。この数字を持ったまま、別の角度から裏を取れるページを並べます。用語で詰まったら用語集へ。
| 知りたいこと | ページ |
|---|---|
| その容量で何が動くか | VRAM 24GBで動くモデル ・ Mac 48GBで動くモデル |
| 予算から構成を選ぶ | 予算別のおすすめ(10万〜100万円) |
| 使うソフトの推奨スペック | ツール別(Ollama・LM Studio・ComfyUIほか) |
| GPUやチップのシリーズで比べる | シリーズ別の対応表 |
| 量子化の形式を選ぶ | 量子化の種類と必要メモリ |
| 用語の意味を確認する | AI用PCの用語集(29語) |
| 会社で導入する場合の考え方 | 法人・業務でAIを使うPC選び |
| いま何が動くようになっているか | ローカルLLMの現在地(データレポート) |
予算別にどれを選ぶか
ローカルLLM(27〜32Bクラス)を使うという条件だけで、予算ごとに選べる構成が変わります。要件を満たす中で最も手頃なものを並べました。価格は2026年10月時点の目安です。
| 予算 | この用途を満たす最も手頃な構成 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 10万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 15万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 20万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 30万円まで | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB) | 30〜36万円 | 30BクラスのローカルLLMとエージェント並列運用を1台で |
| 40万円まで | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB) | 30〜36万円 | 30BクラスのローカルLLMとエージェント並列運用を1台で |
| 60万円まで | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB) | 30〜36万円 | 30BクラスのローカルLLMとエージェント並列運用を1台で |
| 100万円まで | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB) | 30〜36万円 | 30BクラスのローカルLLMとエージェント並列運用を1台で |
要件を満たす中で最も安いのはMac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)(30〜36万円)です。同じ予算でも形(ノート・BTO・自作・Mac・常時稼働)で選べるものが変わります。予算別のページで各価格帯の全構成を確認できます。
1年後を見据えるなら
この帯は最も先が読みにくいクラスです。MoE型の登場で、総パラメータが大きくても軽く動くモデルが増えており、「27Bのdense型を動かすにはVRAM 24GB」という前提が崩れつつあります。今後もこの傾向が続くなら、VRAMの容量より大容量の一般メモリのほうが有利になる可能性があります。GeForceで24GBを追いかけるか、MacやミニPCで大容量メモリを取るかは、この見通しで変わります。
PCを買わずに済ませる選択肢
クラウドAPIなら、この帯のモデルを機材なしで使えます。月に数百万トークン程度の使用量なら、API料金はPC代の回収に何年もかかる水準です。ローカルに置く理由が「外に出せないデータ」でないなら、まずAPIで使ってみて、使用量を測ってから判断しましょう。当サイトの<a href="/business/cost/">コスト比較</a>で分岐点を計算できます。
させたい仕事を足すと、要件はどう変わるか
ローカルLLM(27〜32Bクラス)単体の要件(CPU 8コア・メモリ32GB・VRAM 24GB・SSD 1TB)に、仕事を1つ足したときの変化です。上がる軸だけを示します。
| 足す仕事 | 上がる要件 | その結果 |
|---|---|---|
| 文章・資料・メール作成 | 変わらない | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)から |
| プログラミング・開発 | 変わらない | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)から |
| 自動タスク・エージェントの常時運用 | CPU 8→12コア・メモリ 32→64GB・常時稼働が必要に | Ryzen AI Max+ 395 ミニPC(メモリ128GB)から |
| イラスト・画像生成 | NVIDIA GPU前提に | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| 動画生成・編集 | メモリ 32→64GB・SSD 1→2TB・NVIDIA GPU前提に | RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GBから |
| 議事録・文字起こし | 変わらない | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)から |
| データ分析・Excel/Python | 変わらない | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)から |
| 社内文書の検索・要約(ローカルRAG) | 変わらない | Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)から |
形態別のおすすめ
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MacBook Pro 14/16 M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)
開発者の定番。Claude Code並列運用+30BクラスのローカルLLMを1台で
M4 Pro・ユニファイドメモリ48GB・SSD 1TB・帯域273GB/s ・ 目安 42〜52万円
ノートPCでローカルLLM(27〜32Bクラス)を使うなら
RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB
動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習。GPU 1枚で届く上限
RTX 5090(VRAM 32GB・1,792GB/s)・メモリ64GB・NVMe 2TB・電源1000W ・ 目安 55〜75万円
デスクトップ(BTO)でローカルLLM(27〜32Bクラス)を使うなら
Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)
30BクラスのローカルLLMとエージェント並列運用を1台で。コスパの中心
M4 Pro・ユニファイドメモリ48GB・SSD 1TB・帯域273GB/s ・ 目安 30〜36万円
MacでローカルLLM(27〜32Bクラス)を使うなら
Ryzen AI Max+ 395 ミニPC(メモリ128GB)
Windows/Linuxで128GBの共有メモリ。GPU側に96GBを割り当てれば、gpt-oss-120bや70Bクラスを常時サーバとして動かせる
Ryzen AI Max+ 395・LPDDR5X 128GB(256GB/s)・NVMe 2TB ・ 目安 32〜48万円
常時稼働サーバー型でローカルLLM(27〜32Bクラス)を使うなら
自作: RTX 5090(32GB)・メモリ96GB
動画生成・学習・32BクラスのLLM。メモリ96GBあれば、大型のMoE型を一部メインメモリに逃がして動かせる
Ryzen 9 9950X・DDR5 48GB×2・RTX 5090・NVMe 4TB・電源1000W・大型ケース ・ 目安 60〜80万円
自作でローカルLLM(27〜32Bクラス)を使うなら
させたい仕事を足して絞り込む
よくある質問
VRAM 16GBで27Bクラスは無理?
27Bのdense型をQ4で動かすと、ぎりぎり溢れます。IQ4_XSなど小さめの量子化か、コンテキストを4Kに絞ればVRAMに収まることがあります。無理をしないならMoE型(Qwen3 30B-A3B・gpt-oss-20b)を選ぶのが快適です。
RTX 3090(中古)はあり?
VRAM 24GBで帯域936GB/sと、ローカルLLM用途では今でも一線級です。消費電力と保証を許容できるなら最もコスパの良い選択肢の一つ。
Mac 48GBとRTX 4090ではどちらが速い?
RTX 4090が3倍以上速い(帯域の差)。ただし4090に載らない大きさのモデルがMac 48GBには載る。速さか容量かで選びます。
ローカルLLM(27〜32Bクラス)にはどんなPCが合う?
ノートPC: MacBook Pro 14/16 M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)。デスクトップ(BTO): RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB。Mac: Mac mini M4 Pro(メモリ48GB・SSD 1TB)。常時稼働サーバー型: Ryzen AI Max+ 395 ミニPC(メモリ128GB)。自作: 自作: RTX 5090(32GB)・メモリ96GB
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