AI PCナビ使うAIと、させたい仕事に合うPC・Macを。
トップ › 仕事別 › 動画生成・編集

AIに「動画生成・編集」をさせるPCスペックと、合うPC・Mac(2026年10月)

動画の仕事は、まず2つに分けて考えます。編集ソフトのAI機能(自動字幕・無音カット・切り抜き)はVRAM 8GBで足り、ローカルの動画生成はVRAM 24GBからが実用です。

同じ「動画×AI」でも、必要なVRAMが3倍違う。Wan 2.1で480p・5秒を作るとVRAM 20〜25GBを使い、VRAM 16GBに抑えて回すと1本15〜20分かかります。素材と生成物でSSDも2〜4TBは見ておきましょう。

ローカルの動画生成AIは最も重い用途です。必要なのはVRAM 24GB以上とメモリ64GB、それに素材が溜まるので4TB級のストレージ。動画編集ソフトのAI機能(自動字幕・切り抜き)だけなら、VRAM 8GBで足ります。

この仕事でPCに何が起きるか

動画まわりのAIには負荷の桁が違う2種類があります。動画編集ソフトのAI機能(自動字幕、無音カット、切り抜き、ノイズ除去)はVRAM 8GBでも動きます。一方、ローカルの動画生成AI(Wan・Hunyuan・LTX)は最も重い用途で、VRAM 24GB以上、メモリ64GB、素材と生成物のために数TBのストレージが要ります。

生成中はGPUが数十分張り付くので、冷却と電源も性能の一部です。この仕事で最初に決めるべきは「編集のAI機能が欲しいのか、動画を生成したいのか」。前者ならVRAM 8〜12GBの機種で足り、後者はRTX 4090 / 5090が必要で、価格差は数十万円になります。

両方をやる人でも、まず編集用の機種で始めて、生成の本数が月数十本を超えた時点で上位機に移るのが、投資を外しにくい順番です。

典型的な流れ
  1. 素材の取り込み(大容量)
  2. 生成または編集AIの実行(GPUが100%で張り付く)
  3. 書き出し
  4. アーカイブ(数TB)

最低・快適・余裕の3段階

段階構成の目安できること
最低VRAM 8GB・メモリ32GB・SSD 1TB編集ソフトのAI機能は快適。生成は不可
快適VRAM 16〜24GB・メモリ64GB・NVMe 2TB・電源850W以上短尺の生成が実用
余裕RTX 5090・メモリ128GB・NVMe 4TB・大型ケース長尺・高解像度の生成を連続で回せる

計算例: 実際に何GB要るか

Wan 2.1 14Bで480p・5秒を生成すると、モデル(fp8)14GB、フレームの中間データ6〜10GB、VAE 0.5GBでVRAM 20〜25GB。RTX 4090(24GB)でぎりぎり、RTX 5090(32GB)で余裕。VRAM 16GBでは量子化とフレーム削減で12〜14GBに抑えて1本15〜20分。

消費電力は5090で生成中575W。10本回すと約2kWh、電気代は約60円で、コストより冷却と電源が問題です。編集ソフトのAI機能は別で、DaVinci Resolveの自動字幕やPremiere Proの無音カットはVRAM 8GBで快適に動きます。ストレージは、4K素材が1時間で100GB前後、生成物と中間ファイルで倍。2TBでは数か月で埋まり、4TB以上か外付けのNASが前提になります。

よくある誤解

「画像生成が動いているから動画も試せる」必要なVRAMの桁が違います。フレームを同時に保持するため、SDXLが快適な12GBの機種でも、動画では解像度と長さを大きく削ることになります。削らずに作るなら24GB以上が欲しいところです。

「メインメモリを64GBにすればVRAM不足を補える」補えません。メインメモリが役立つのは素材の読み込みと書き出しで、生成そのものはVRAMの中で完結します。足りないならGPUを替えるしかありません。

よくある失敗

編集ソフトのAI機能に要る性能は、生成とは別物

DaVinci Resolve、Premiere Pro、Final Cut Proには、AIを使う機能が年々増えています。自動字幕(音声認識)、無音区間のカット、被写体の自動追従、背景の切り抜き、ノイズ除去、画質の向上(スーパーレゾリューション)。これらは動画生成と違って、VRAM 8GBのGeForceやApple Silicon 16GBで快適に動きます。

Macは特にこの領域に強く、Final Cut ProとDaVinci ResolveはApple Siliconに最適化されていて、MacBook Pro M4 Proで4Kの編集とAI字幕が実用速度です。つまり「動画の仕事」と一口に言っても、編集中心の人はMacやミドルGPU機が正解で、ローカルで動画を生成したい人だけがRTX 4090 / 5090の領域に入る。

当サイトの推奨エンジンで「動画生成・編集」を選ぶと高い構成が出るのは生成側に合わせているためで、編集だけの人は「イラスト・画像生成」や「文章」の要件で足ります。もう一つ別の系統として、既存の動画を加工するAI(フレーム補間・超解像・スタイル変換・リップシンク)があり、これらはVRAM 8〜12GBで動くものが多く、生成ほど重くありません。

1本の動画を4Kにアップスケールする処理はRTX 4070で数分〜十数分で、夜間にまとめて回すなら、これも常時稼働の話になります。

買う前のチェックリスト

編集部メモ: 動画生成は、当サイトの推奨エンジンで最も高い構成が出る仕事です。同時に「本当にローカルでやるべきか」を最も疑うべき仕事でもある。月に数本ならクラウドGPUの時間課金のほうが安く、ローカルの元が取れるのは月数十本か、夜間にまとめて回す使い方から。カタログのRTX 5090構成は、その段階に来た人向けです。編集だけならMacBook Pro M4 Proで十分、というのも同じ理由で明記しています。

この仕事で使うAIの候補

関連するページ

動画生成・編集をAIにさせるなら、CPU 8コア・メモリ64GB・NVMe 2TB、VRAM 24GB(Macならユニファイド64GB)が目安でした。同じ数字を、容量・予算・ツールの側から確かめられます。用語で詰まったら用語集へ。

知りたいことページ
その容量で何が動くかVRAM 24GBで動くモデル ・ Mac 64GBで動くモデル
予算から構成を選ぶ予算別のおすすめ(10万〜100万円)
使うソフトの推奨スペックツール別(Ollama・LM Studio・ComfyUIほか)
GPUやチップのシリーズで比べるシリーズ別の対応表
量子化の形式を選ぶ量子化の種類と必要メモリ
用語の意味を確認するAI用PCの用語集(29語)
会社で導入する場合の考え方法人・業務でAIを使うPC選び
いま何が動くようになっているかローカルLLMの現在地(データレポート)

予算別にどれを選ぶか

「動画生成・編集」をさせるという条件で、予算ごとに選べる構成です。価格は2026年10月時点の目安です。

予算この仕事を満たす最も手頃な構成目安備考
10万円までこの予算では要件を満たす構成がありません—
15万円までこの予算では要件を満たす構成がありません—
20万円までこの予算では要件を満たす構成がありません—
30万円までこの予算では要件を満たす構成がありません—
40万円までこの予算では要件を満たす構成がありません—
60万円までRTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB55〜75万円動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習
100万円までRTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB55〜75万円動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習

1年後を見据えるなら

動画生成は最も変化が速く、必要なVRAMも上がり続けています。今24GBで足りていても、長尺化と高解像度化で窮屈になる見込みです。電源とケースに余裕を持たせ、GPUを交換できる形にしておきましょう。一方で、様子を見てから買うほうが有利な領域でもあります。

PCを買わずに済ませる選択肢

クラウドGPUの時間課金が有力です。動画生成は使う時間が短く集中するので、常時所有するより借りるほうが安く済むことが多い。月に数十本作るようになってから移行しても遅くありません。RTX 5090搭載機の価格は、クラウドGPUの数年分に相当します。

使うAIによって要件はどう変わるか

「動画生成・編集」という仕事は同じでも、どのAIでやるかで手元のPCに要るものが変わります。候補のAIごとに、この仕事と組み合わせたときの要件と、その要件を満たす最も手頃な構成です。

使うAICPU / メモリGPUその他手頃な構成
動画生成AI(Wan / Hunyuan / LTX)8コア / 64GBVRAM 24GB(Mac 64GB)SSD 2TB・CUDARTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB

必要なリソース(最低ライン)

並列実行力CPU 8コア・メモリ64GB
GPU / ユニファイドメモリVRAM 24GB(Macはユニファイド64GB)
ストレージNVMe 2TB以上
常時稼働不要
OSどちらでも

形態別のおすすめ

PR: 以下はAmazonアソシエイトの広告リンクを含みます。価格の目安は執筆時点のもので変動します。価格・在庫はリンク先でご確認ください。

近いものノートPC

GPUノート(RTX 5080 Laptop 16GB・メモリ64GB)

ノート1台でFLUX・27BクラスのローカルLLM・並列エージェントまで

RTX 5080 Laptop(VRAM 16GB)・メモリ64GB・NVMe 2TB ・ 目安 38〜55万円

この形態に要件を満たす機種がありません: VRAM 24GB以上が必要

ぴったりデスクトップ(BTO)

RTX 5090(32GB)デスクトップ・メモリ64GB

動画生成・32BクラスのローカルLLM・LoRA学習。GPU 1枚で届く上限

RTX 5090(VRAM 32GB・1,792GB/s)・メモリ64GB・NVMe 2TB・電源1000W ・ 目安 55〜75万円

デスクトップ(BTO)で「動画生成・編集」をさせるなら

近いものMac

Mac Studio M4 Max(メモリ128GB・SSD 2TB)

gpt-oss-120bやQwen3.5 122Bがメモリに収まり、帯域546GB/sで実用的な速さが出る。個人向けローカルLLMの本命

M4 Max・ユニファイドメモリ128GB・SSD 2TB ・ 目安 62〜72万円

この形態に要件を満たす機種がありません: CUDA前提のツールが多くMacは不向き

ぴったり常時稼働サーバー型

ワークステーション(RTX 5090・メモリ128GB・SSD 4TB)

動画生成・学習ジョブを夜通し回す。ECC・高耐久電源・保守付きのBTOワークステーション

Core Ultra 9 / Ryzen 9 / Threadripper・メモリ128GB・RTX 5090・NVMe 4TB・電源1200W ・ 目安 75〜110万円

常時稼働サーバー型で「動画生成・編集」をさせるなら

ぴったり自作

自作: RTX 5090(32GB)・メモリ96GB

動画生成・学習・32BクラスのLLM。メモリ96GBあれば、大型のMoE型を一部メインメモリに逃がして動かせる

Ryzen 9 9950X・DDR5 48GB×2・RTX 5090・NVMe 4TB・電源1000W・大型ケース ・ 目安 60〜80万円

自作で「動画生成・編集」をさせるなら

よくある質問

Macで動画生成は?

編集ソフトのAI機能は快適ですが、ローカル動画生成は現時点で不向きです。

RTX 5080(16GB)では?

量子化モデルと短尺なら動きます。実用には24GB以上が欲しく、5080は試すための容量です。

クラウドGPUとローカルの損益分岐は?

月に数十本以上、または夜間にバッチで回すならローカル。たまに試すだけならクラウドGPUのほうが安い。

ノートPCで動画生成はできる?

RTX 5090 Laptop(24GB)なら短尺は動きますが、冷却が追いつかず速度が落ち、数十分の負荷でファンが全開になります。動画生成はデスクトップの仕事と割り切るのが確実です。

ストレージはSSDとHDDのどちら?

編集・生成の作業領域はNVMe SSD、完成品と素材の保管はHDDかNASという二段構えが定石です。4K素材を直接HDDから編集すると読み込みで止まります。

生成中にPCで他の作業はできる?

GPUが100%で張り付いている間、ブラウザやOfficeは動きますが、画面描画がもたつきます。生成を夜間や離席中にまとめる運用が現実的で、そこまで来ると当サイトの常時稼働ガイドで扱う「専用機」の発想に近づきます。置き場所も、電源と冷却が続く前提で決めておきましょう。