AIに「議事録・文字起こし」をさせるPCスペックと、合うPC・Mac(2026年10月)
会議の録音を文字にする仕事は、クラウドのサービスで足りる人と、ローカルで回す必要がある人に分かれます。社外に出せない録音ならWhisperを手元で動かすことになり、要るのはVRAM 6GB。
RTX 4060クラスなら1時間の音声を数分で書き起こします。CPUだけでも動きますが、同じ1時間に数十分。精度を左右するのはモデルより録音の質で、マイクを話者に近づけるほうがよほど精度が上がります。
会議録音をWhisperでローカル処理するなら、GPU(VRAM 6GB〜)かApple Siliconなら実用的な速さで処理できます。クラウドの文字起こしサービスで足りる人は、PCを問いません。
この仕事でPCに何が起きるか
会議の録音を文字に起こし、要点をまとめて議事録にする。クラウドの文字起こしサービス(Zoom・Teams・Notta等)で足りる人は、PCを問いません。録音を社外に出せない場合、Whisperをローカルで動かします。GPU(VRAM 6GB以上)かApple Siliconなら1時間の音声を数分で処理し、続けてローカルLLMで要約すれば議事録まで手元で完結します。
CPUだけでも動きますが1時間の音声に数十分かかります。この仕事の要件を決めるのは「録音を外に出せるか」の一点で、出せるならPCは今のまま、出せないならGPUかApple Siliconが要ります。もう一つ見落とされがちなのが、精度の8割はマイクで決まること。
PCを強化する前に、会議用マイクを買うほうが議事録の質は上がります。当サイトのDBで言えば、VRAM 6GB以上のGPUを積んだ機種はほぼ全てがこの用途で「快適」判定で、機種選びで悩む余地は少ない仕事です。
- 録音(マイク品質が精度を決める)
- Whisperで文字起こし
- ローカルLLMで要約・整形
- 共有
最低・快適・余裕の3段階
| 段階 | 構成の目安 | できること |
|---|---|---|
| 最低 | GPUなし・メモリ16GB | small/mediumモデルで実用 |
| 快適 | VRAM 6GB以上またはApple Silicon 16GB | large-v3で1時間の音声が数分 |
| 余裕 | VRAM 12GB以上またはMac 32GB | 文字起こし+要約まで一台でこなせる |
計算例: 実際に何GB要るか
1時間の会議録音をWhisper large-v3で処理する時間。RTX 4060(VRAM 8GB)で3〜5分、RTX 4070で2〜3分、MacBook Air M4(MLX版)で5〜8分、Core i7のCPUのみで40〜60分。VRAM使用量は約4.5GB。
続けてQwen3 8B(6.4GB)で要約する場合、GPUで順に実行すれば8GBで足り、同時にVRAMに載せるなら12GB以上かMac 16GB以上。週5本の会議を処理する部署なら、CPUのみで週5時間PCを占有し、GPUなら20分で終わります。年間で200時間以上の差。
VRAM 8GB以上のGPU(RTX 5060で5万円前後、中古RTX 3060 12GBで3万円前後)で解消できる差としては大きい。
よくある誤解
「録音さえあれば、あとはAIが正確に起こしてくれる」音の質で結果が決まります。会議室の中央に置いたスマホ1台では、遠い席の発言が落ちます。マイクを近づける、話者ごとに録る。ここを直すほうがモデルを大きくするより精度が上がります。
「文字起こしは軽いからスペックは関係ない」長さで変わります。1時間の録音を高精度モデルで回すと、CPUだけでは実時間の数倍かかります。毎日回すならGPUのある機種が現実的です。
よくある失敗
- 安いマイクで録って、どのモデルでも精度が出ない
- largeモデルをCPUで回して待ちきれない
- 話者分離(誰の発言か)までWhisper単体でできると思う。別ツールが要る
- クラウドの文字起こしで足りるのにローカル環境を組む
文字起こしから議事録までの現実的な流れ
録音を文字にするだけなら、Whisperの出力をそのまま使えばよいのですが、議事録として使うには「誰が」「何を決めたか」「宿題は何か」が要ります。ここで2段階目のローカルLLMが登場します。Whisperの出力(1時間の会議で1万〜1.5万文字)をQwen3 14BやGemma 3 27Bに渡し、決定事項・宿題・次回日程を抽出させる。
14Bなら1〜2分、27Bなら2〜4分で、社外に一切出さずに議事録の下書きができます。話者分離が要る場合はpyannote等を先に通し、「話者A: 〜」の形でLLMに渡すと精度が上がります。この一連の流れを自動化ツール(n8n)で組んでおくと、録音ファイルをフォルダに置くだけで議事録が出てくる形になり、そこまで来ると「常時稼働機」の要件も視野に入ります。
個人で週数本なら手元のGPU機で十分、部署で毎日なら専用機。段階に応じて足していけばよく、最初の1台は中古のRTX 3060 12GBでも足ります。精度面で見落とされがちなのが用語辞書です。社内の製品名や人名は、Whisperにプロンプトとして渡す(initial_prompt)か、後段のLLMに置換表を持たせると誤変換が大きく減ります。機材より先にここを整えるほうが、議事録の手直し時間は短くなります。
買う前のチェックリスト
- 録音を社外に出せるか確認した(出せるならPCは問わない)
- VRAM 6GB以上のGeForce、またはApple Silicon 16GB以上
- 会議用マイク(精度の8割はここで決まる)
- 要約までローカルでやるなら、8BクラスのローカルLLMの要件も満たす
- 話者分離が要るなら追加でVRAM 2〜4GB
編集部メモ: 文字起こしは、GPUを買う理由として最も安上がりで、効果が数字で見えやすい仕事です。中古のRTX 3060(12GB)1枚で、週5時間の待ち時間が20分になる。当サイトのDBでは同じRTX 3060 12GBが8BのローカルLLMも快適に動かす判定なので、議事録の要約まで1枚で完結します。マイクに1〜2万円、GPUに3万円。この順番と金額で、部署の議事録が変わります。
この仕事で使うAIの候補
関連するページ
議事録・文字起こしをAIにさせるなら、CPU 6コア・メモリ16GB・NVMe 0.5TB、VRAM 6GB(Macならユニファイド16GB)が目安でした。同じ数字を、容量・予算・ツールの側から確かめられます。用語で詰まったら用語集へ。
| 知りたいこと | ページ |
|---|---|
| その容量で何が動くか | VRAM 8GBで動くモデル ・ Mac 16GBで動くモデル |
| 予算から構成を選ぶ | 予算別のおすすめ(10万〜100万円) |
| 使うソフトの推奨スペック | ツール別(Ollama・LM Studio・ComfyUIほか) |
| GPUやチップのシリーズで比べる | シリーズ別の対応表 |
| 量子化の形式を選ぶ | 量子化の種類と必要メモリ |
| 用語の意味を確認する | AI用PCの用語集(29語) |
| 会社で導入する場合の考え方 | 法人・業務でAIを使うPC選び |
| いま何が動くようになっているか | ローカルLLMの現在地(データレポート) |
予算別にどれを選ぶか
「議事録・文字起こし」をさせるという条件で、予算ごとに選べる構成です。価格は2026年10月時点の目安です。
| 予算 | この仕事を満たす最も手頃な構成 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 10万円まで | この予算では要件を満たす構成がありません | — | |
| 15万円まで | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) | 14〜17万円 | 最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」 |
| 20万円まで | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) | 14〜17万円 | 最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」 |
| 30万円まで | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) | 14〜17万円 | 最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」 |
| 40万円まで | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) | 14〜17万円 | 最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」 |
| 60万円まで | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) | 14〜17万円 | 最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」 |
| 100万円まで | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) | 14〜17万円 | 最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」 |
1年後を見据えるなら
文字起こしのモデルは軽量化の方向にあり、必要なVRAMは増えていません。今の構成が長く使えます。変化があるとすれば、話者分離やリアルタイム処理、後段の要約に大きめのモデルを使うようになったときで、その分のメモリを見ておけば十分です。
PCを買わずに済ませる選択肢
クラウドの文字起こしサービスで足りるなら機材は不要です。移す理由は、録音を外部に出せない一点。それが制約でないなら、月額数千円のサービスのほうが手間がかかりません。どちらにしても精度の大半はマイクで決まります。
使うAIによって要件はどう変わるか
「議事録・文字起こし」という仕事は同じでも、どのAIでやるかで手元のPCに要るものが変わります。候補のAIごとに、この仕事と組み合わせたときの要件と、その要件を満たす最も手頃な構成です。
| 使うAI | CPU / メモリ | GPU | その他 | 手頃な構成 |
|---|---|---|---|---|
| 文字起こし(Whisper) | 6コア / 16GB | VRAM 6GB(Mac 16GB) | SSD 0.5TB | Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB) |
必要なリソース(最低ライン)
形態別のおすすめ
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GPUノート(RTX 5070 Laptop 8GB・メモリ32GB)
持ち歩いて画像生成の入門や8BクラスのローカルLLMを回す人
RTX 5060/5070 Laptop(VRAM 8GB)・メモリ32GB・NVMe 1TB ・ 目安 20〜28万円
ノートPCで「議事録・文字起こし」をさせるなら
RTX 5060(8GB)デスクトップ・メモリ32GB
画像生成の入門と8BクラスのローカルLLM。最安のGPU機
RTX 5060(VRAM 8GB)・メモリ32GB・NVMe 1TB ・ 目安 15〜21万円
デスクトップ(BTO)で「議事録・文字起こし」をさせるなら
Mac mini M4(メモリ24GB・SSD 512GB)
最安で「クラウドAI+8〜14BのローカルLLM」。Claude Codeは1エージェントまで。静音・省電力で常時稼働にも
M4・ユニファイドメモリ24GB・SSD 512GB ・ 目安 14〜17万円
Macで「議事録・文字起こし」をさせるなら
Ryzen AI Max+ 395 ミニPC(メモリ128GB)
Windows/Linuxで128GBの共有メモリ。GPU側に96GBを割り当てれば、gpt-oss-120bや70Bクラスを常時サーバとして動かせる
Ryzen AI Max+ 395・LPDDR5X 128GB(256GB/s)・NVMe 2TB ・ 目安 32〜48万円
常時稼働サーバー型で「議事録・文字起こし」をさせるなら
自作: RTX 5070 Ti(16GB)・メモリ32GB
BTOより同予算で一段上のGPUに届く。画像生成とローカルLLMの定番
Ryzen 7 9700X・DDR5 16GB×2・RTX 5070 Ti・NVMe 2TB・電源850W ・ 目安 27〜35万円
自作で「議事録・文字起こし」をさせるなら
よくある質問
ノートPCで会議中にリアルタイム文字起こしは?
Apple SiliconのMacBookなら現実的です。WindowsノートはGeForce搭載機で。
日本語の精度はどのモデルが良い?
large-v3が最も高精度。速度優先ならmediumかturbo版、日本語特化の派生モデルもあります。
NPU(Copilot+ PC)で速くなる?
一部の実装は対応し始めていますが、成熟度と速度はGPU/Apple Siliconが上です。
オンライン会議の録音はどう取る?
Zoom・Teamsの録画機能で音声だけ書き出すか、OBSでシステム音声とマイクを別トラックで録ると、後段の話者分離が楽になります。録音の段階で音量を揃えておくと精度が安定します。
1時間の会議で文字起こしの文字数はどれくらい?
日本語で1万〜1.5万文字。ローカルLLMに要約させるときは、この量がコンテキスト8Kトークンに収まらないことがあるので、章ごとに分けて渡すか、コンテキスト16K以上に設定します(その分メモリが増えます)。
英語混じりの会議や専門用語が多い会議は?
Whisperは多言語を同時に扱えるので、日本語と英語が混ざっても認識します。専門用語は用語辞書(initial_prompt)で補い、後段のLLMに正式表記への置換を任せると安定します。機材より辞書の整備で差が出る領域です。