gpt-oss-20b と Qwen3 30B-A3B の違い — 必要メモリと動く機種で比べる(2026年10月)
VRAM 16GB帯で選べるMoE 2本。当サイトは品質のベンチマークを取っていないため、ここで比べるのは必要メモリ、動く機種、生成速度の3点です。どちらが賢いかではなく、どちらが手元のPCで動くかを判断するためのページです。
編集部の見立て
VRAM 16GBのカードでは、選べるのが片方だけになります。gpt-oss-20bはMXFP4の1種類しか配布がなく、文脈8kトークン分を含めて12.3GB。RTX 4060 Ti 16GBを含む26機種はこちらだけが動きます。Qwen3 30B-A3Bは4bitで19.1GBが要り、下限はVRAM 20GB級です。
日本語のタグが付くのは後者で、gpt-oss-20bは対話と推論の用途で登録されています。有効パラメータはどちらも3B台なので、待ち時間の短さは共通の持ち味です。
基本スペック
| 項目 | gpt-oss-20b | Qwen3 30B-A3B |
|---|---|---|
| 開発元 | OpenAI | Alibaba |
| 公開 | 2025-08 | 2025-07 |
| パラメータ | 20.91B(MoE・アクティブ3.6B) | 30.53B(MoE・アクティブ3.3B) |
| 最大コンテキスト | 131,072 | 262,144 |
| ライセンス | apache-2.0 | apache-2.0 |
| 4bitのファイル | 11GB(4bit(MXFP4)) | 17GB(4bit(Q4_K_M)) |
| KVキャッシュ(8k) | 0.2GB | 0.8GB |
| 必要メモリ合計 | 12GB | 19GB |
| 動く最小のGPU | VRAM 16GB〜 | VRAM 20GB〜 |
| 動く最小のMac | 24GB〜 | 32GB〜 |
| 4bitで動く機種数 | 84 / 142 | 58 / 142 |
メモリの差: gpt-oss-20bのほうが約6.7GB軽く済みます。この差のぶん、gpt-oss-20bだけが動く機種が出てきます。
代表的な機種での比較
同じ機種で両方を動かしたときの必要メモリと推定速度です。速度はメモリ帯域幅からの計算値で、実測ではありません。
| 機種 | gpt-oss-20b | Qwen3 30B-A3B |
|---|---|---|
| GeForce RTX 5070 Ti 896 GB/s | 快適 12GB・約190 tok/s補正済み | 4bitでは収まらない |
| GeForce RTX 4090 1008 GB/s | 快適 12GB・約200 tok/s補正済み | 快適 19GB・約180 tok/s補正済み |
| Apple M4 Pro(48GB) 273 GB/s | 快適 12GB・約60 tok/s補正済み | 快適 19GB・約55 tok/s補正済み |
| Apple M4 Max(128GB) 546 GB/s | 快適 12GB・約110 tok/s補正済み | 快適 19GB・約96 tok/s補正済み |
| 一般的なデスクトップ/ノートPC(DDR5-5600・GPUなし)(メモリ64GB) 89.6 GB/s | 実用 12GB・約11 tok/s推定 | 実用 19GB・約10 tok/s推定 |
量子化別のサイズ比較
| 量子化 | gpt-oss-20b | Qwen3 30B-A3B |
|---|---|---|
| 2bit(Q2_K) | — | 10GB |
| 2bit(IQ2_M) | — | 10GB |
| 3bit(Q3_K_M) | — | 14GB |
| 4bit(MXFP4) | 11GB | — |
| 4bit(IQ4_XS) | — | 15GB |
| 4bit(Q4_K_M) | — | 17GB |
| 5bit(Q5_K_M) | — | 20GB |
| 6bit(Q6_K) | — | 23GB |
| 8bit(Q8_0) | — | 30GB |
コンテキスト長を伸ばしたときの違い
長い文書を渡す使い方では、KVキャッシュの増え方で差が出ます。構造が違うと同じサイズのモデルでも差が出ます。
| コンテキスト | gpt-oss-20b | Qwen3 30B-A3B |
|---|---|---|
| 4,096 | 12GB | 19GB |
| 8,192 | 12GB | 19GB |
| 32,768 | 13GB | 21GB |
| 131,072 | 15GB | 30GB |
構造の違いが、どこに出るか
gpt-oss-20bはOpenAIが2025年8月に公開した20.91Bで、12層が全域注意、12層が窓128のスライディングウィンドウ。1トークンごとに読むのはアクティブ3.6BぶんのMoEです。対するQwen3 30B-A3BはAlibabaの30.53Bで、全48層が全域注意(KVヘッド4・head次元128)。アクティブ3.3BのMoE。
片方がMoEなので、メモリに載せる量が同じでも読み出す量が違います。gpt-oss-20bのほうが、1トークンあたりに読むバイト数が少なく、同じ機種でも速く動きます。また、gpt-oss-20bだけがスライディングウィンドウを使っているため、コンテキストを伸ばしたときのKVキャッシュの増え方が緩やかです。
判定が分かれる機種
当サイト収録の142機種で、4bit標準の量子化を前提にメモリに収まるかどうかを計算すると、両方収まるのが58機種、gpt-oss-20bだけ収まるのが26機種、Qwen3 30B-A3Bだけ収まるのが0機種です。この差が出る容量の機種を持っている人にとっては、どちらを選ぶかで動くかどうかが変わります。
gpt-oss-20bだけ収まる機種(26件): GeForce RTX 4060 Ti 16GB / GeForce RTX 4070 Ti SUPER / GeForce RTX 4080 ほか23件。これらの機種では、Qwen3 30B-A3Bは量子化を落とすかCPUオフロードが要ります。
長い文書を読ませると順位が変わるか
必要メモリは、モデルのファイルサイズだけでは決まりません。コンテキスト長を伸ばすとKVキャッシュが上乗せされ、その増え方は層の構造で変わります。4bit標準の量子化で計算すると次のようになります。
| コンテキスト | gpt-oss-20b | Qwen3 30B-A3B | 差 |
|---|---|---|---|
| 8,192 | 12GB | 19GB | 6.7GB |
| 32,768 | 13GB | 21GB | 8.4GB |
| 131,072 | 15GB | 30GB | 15GB |
どのコンテキスト長でも順位は変わらず、gpt-oss-20bのほうが軽いままです。8,192トークンで6.7GBだった差は、131,072トークンでは15GBまで広がります。
KVキャッシュはfp16での計算です。q8_0などに量子化すれば、表のKVぶんはおおむね半分になります。両モデルとも同じ比率で減るため、順位そのものは変わりません。
メモリ予算ごとの選び方
使える容量が決まっているとき、それぞれ収まる量子化のうち、いちばん精度の高いものを選ぶとどうなるかです。実効容量はOSとドライバのぶんを引いて計算しています。
| 使える容量 | gpt-oss-20b | Qwen3 30B-A3B |
|---|---|---|
| 16GB | 4bit(MXFP4) 必要12GB | 3bit(Q3_K_M) 必要15GB |
| 24GB | 4bit(MXFP4) 必要12GB | 5bit(Q5_K_M) 必要22GB |
| 32GB | 4bit(MXFP4) 必要12GB | 6bit(Q6_K) 必要25GB |
| 48GB | 4bit(MXFP4) 必要12GB | 8bit(Q8_0) 必要32GB |
| 64GB | 4bit(MXFP4) 必要12GB | 8bit(Q8_0) 必要32GB |
| 128GB | 4bit(MXFP4) 必要12GB | 8bit(Q8_0) 必要32GB |
両方が収まるようになるのは16GBからです。それより下の容量だと、選択肢は実質ひとつに絞られます。
量子化のビット数が下がるほど、回答の細部は崩れていきます。同じ容量で片方が4bit、もう片方が2bitにしかならないなら、比較の土俵に乗っているのは4bitで入るほうだけ。そう考えたほうが実態に合います。それぞれのファイルサイズはgpt-oss-20bとQwen3 30B-A3Bのページに量子化別で載せています。
選び分けの目安
gpt-oss-20bを選ぶ場面
OpenAI初のオープンモデル。MXFP4でVRAM 16GBに載る
- メモリに余裕がない(6.7GB少なく済む)
- より新しく公開されたモデルを試したい(2025-08公開)
- 必要メモリ 12GB・4bitで動く機種 84件
Qwen3 30B-A3Bを選ぶ場面
MoE型で、メモリさえ足りれば速い。Macやメモリ多めのPC向き
- 日本語での利用が中心
- 長いコンテキストを使う
- 必要メモリ 19GB・4bitで動く機種 58件
回答の品質そのものは、用途と日本語の相性で変わります。当サイトはベンチマークを実施していないため、品質の優劣は主張しません。両方とも手元のPCで動くなら、実際に同じ質問を投げて比べるのが確実です。
迷ったときの決め方
手元の容量を16GB、24GB、32GB以上の三段で考えると決まります。16GBならgpt-oss-20bの一択で、MXFP4以外の選択肢がないぶん迷う余地もない。24GBに上がるとQwen3 30B-A3BがQ5_K_M(22.1GB)まで届き、32GBでQ6_K、48GB以上でQ8_0です。
gpt-oss-20bは容量を足しても12.3GBのままなので、増設が効くのは相手側だけ。GPUを積まないDDR5のPCでも推定11.1tok/sと10tok/sで、どちらも会話に使える速さに届きます。4bitで2本合わせても31.4GBなので、32GB級の機材なら日本語は後者、英語での長い推論は前者と分けられます。
よくある質問
gpt-oss-20bとQwen3 30B-A3B、必要なメモリはどちらが少ない?
gpt-oss-20bが約12GB、Qwen3 30B-A3Bが約19GBで、差は約6.7GBです(どちらも4bit相当・コンテキスト8,192トークン込み)。
どちらが速く動きますか?
gpt-oss-20bはアクティブパラメータ3.6BのMoE、Qwen3 30B-A3Bはアクティブパラメータ3.3BのMoEです。GeForce RTX 4090で計算するとgpt-oss-20bが約200 tok/s、Qwen3 30B-A3Bが約180 tok/sで、gpt-oss-20bのほうが速くなります。読み出す量は重みだけでなくKVキャッシュも含むため、アクティブパラメータが小さいほうが必ず速いとは限りません。
VRAM 16GBのGPUで両方動きますか?
gpt-oss-20bは動きます(推定190 tok/s)。Qwen3 30B-A3Bは4bitではVRAMに収まりません。