DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B と Qwen3 32B の違い — 必要メモリと動く機種で比べる(2026年10月)
推論特化と汎用、同じ32B。当サイトは品質のベンチマークを取っていないため、ここで比べるのは必要メモリ、動く機種、生成速度の3点です。どちらが賢いかではなく、どちらが手元のPCで動くかを判断するためのページです。
編集部の見立て
数字ではほとんど見分けがつきません。必要量はどちらも21.5GB、動く機種は45で同じ、RTX 4090の推定は34tok/sと34.2tok/s。64層すべてが文脈全体を見る作りという点まで共通です。判断の材料は中身のほうにあります。DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bは推論に振った蒸留モデルで、登録されたタグも推論の一つだけ。
Qwen3 32Bは対話と推論を併せ持ち、日本語のタグも付きます。普段使いの1本にするなら後者、考える過程を長く出させたいなら前者です。
基本スペック
| 項目 | DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B | Qwen3 32B |
|---|---|---|
| 開発元 | DeepSeek | Alibaba |
| 公開 | 2025-01 | 2025-04 |
| パラメータ | 32.76B(dense型) | 32.76B(dense型) |
| 最大コンテキスト | 131,072 | 32,768 |
| ライセンス | - | apache-2.0 |
| 4bitのファイル | 18GB(4bit(Q4_K_M)) | 18GB(4bit(Q4_K_M)) |
| KVキャッシュ(8k) | 2.0GB | 2.0GB |
| 必要メモリ合計 | 22GB | 21GB |
| 動く最小のGPU | VRAM 24GB〜 | VRAM 24GB〜 |
| 動く最小のMac | 36GB〜 | 36GB〜 |
| 4bitで動く機種数 | 45 / 142 | 45 / 142 |
メモリの差: Qwen3 32Bのほうが約0.1GB軽く済みます。ほぼ同じ容量帯なので、メモリでは決まりません。
代表的な機種での比較
同じ機種で両方を動かしたときの必要メモリと推定速度です。速度はメモリ帯域幅からの計算値で、実測ではありません。
| 機種 | DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B | Qwen3 32B |
|---|---|---|
| GeForce RTX 5070 Ti 896 GB/s | 4bitでは収まらない | 4bitでは収まらない |
| GeForce RTX 4090 1008 GB/s | 快適 22GB・約34 tok/s補正済み | 快適 21GB・約34 tok/s補正済み |
| Apple M4 Pro(48GB) 273 GB/s | 実用 22GB・約11 tok/s補正済み | 実用 21GB・約11 tok/s補正済み |
| Apple M4 Max(128GB) 546 GB/s | 実用 22GB・約19 tok/s補正済み | 実用 21GB・約19 tok/s補正済み |
| 一般的なデスクトップ/ノートPC(DDR5-5600・GPUなし)(メモリ64GB) 89.6 GB/s | 動かない 22GB・約1.9 tok/s推定 | 動かない 21GB・約1.9 tok/s推定 |
量子化別のサイズ比較
| 量子化 | DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B | Qwen3 32B |
|---|---|---|
| 2bit(Q2_K) | 11GB | 11GB |
| 2bit(IQ2_M) | 10GB | 11GB |
| 3bit(IQ3_M) | 14GB | 14GB |
| 3bit(Q3_K_M) | 15GB | 15GB |
| 4bit(IQ4_XS) | 16GB | 16GB |
| 4bit(Q4_K_M) | 18GB | 18GB |
| 5bit(Q5_K_M) | 22GB | 22GB |
| 6bit(Q6_K) | 25GB | 25GB |
| 8bit(Q8_0) | 32GB | 32GB |
コンテキスト長を伸ばしたときの違い
長い文書を渡す使い方では、KVキャッシュの増え方で差が出ます。構造が違うと同じサイズのモデルでも差が出ます。
| コンテキスト | DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B | Qwen3 32B |
|---|---|---|
| 4,096 | 21GB | 20GB |
| 8,192 | 22GB | 21GB |
| 32,768 | 28GB | 27GB |
| 131,072 | 52GB | 対応外 |
構造の違いが、どこに出るか
DeepSeek-R1 Distill Qwen 32BはDeepSeekが2025年1月に公開した32.76Bで、全64層が全域注意(KVヘッド8・head次元128)。全パラメータを毎回読むdense型です。対するQwen3 32BはAlibabaの32.76Bで、全64層が全域注意(KVヘッド8・head次元128)。dense型。
同じ型なので、速度の差はおおむねファイルサイズの差に沿います。
判定が分かれる機種
当サイト収録の142機種で、4bit標準の量子化を前提にメモリに収まるかどうかを計算すると、両方収まるのが45機種、DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bだけ収まるのが0機種、Qwen3 32Bだけ収まるのが0機種です。どの機種でも結論は変わりません。選ぶ基準はメモリではなく、用途と速度になります。
長い文書を読ませると順位が変わるか
必要メモリは、モデルのファイルサイズだけでは決まりません。コンテキスト長を伸ばすとKVキャッシュが上乗せされ、その増え方は層の構造で変わります。4bit標準の量子化で計算すると次のようになります。
| コンテキスト | DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B | Qwen3 32B | 差 |
|---|---|---|---|
| 8,192 | 22GB | 21GB | 0.1GB |
| 32,768 | 28GB | 27GB | 0.1GB |
| 131,072 | 52GB | 51GB | 0.1GB |
どのコンテキスト長でも順位は変わらず、Qwen3 32Bのほうが軽いままです。8,192トークンで0.1GBだった差は、131,072トークンでは0.1GBまで縮まります。
KVキャッシュはfp16での計算です。q8_0などに量子化すれば、表のKVぶんはおおむね半分になります。両モデルとも同じ比率で減るため、順位そのものは変わりません。
メモリ予算ごとの選び方
使える容量が決まっているとき、それぞれ収まる量子化のうち、いちばん精度の高いものを選ぶとどうなるかです。実効容量はOSとドライバのぶんを引いて計算しています。
| 使える容量 | DeepSeek-R1 Distill Qwen 32B | Qwen3 32B |
|---|---|---|
| 16GB | 2bit(IQ2_M) 必要13GB | 2bit(IQ2_M) 必要13GB |
| 24GB | 4bit(Q4_K_M) 必要22GB | 4bit(Q4_K_M) 必要21GB |
| 32GB | 6bit(Q6_K) 必要28GB | 6bit(Q6_K) 必要28GB |
| 48GB | 8bit(Q8_0) 必要36GB | 8bit(Q8_0) 必要36GB |
| 64GB | 8bit(Q8_0) 必要36GB | 8bit(Q8_0) 必要36GB |
| 128GB | 8bit(Q8_0) 必要36GB | 8bit(Q8_0) 必要36GB |
両方が収まるようになるのは16GBからです。それより下の容量だと、選択肢は実質ひとつに絞られます。
量子化のビット数が下がるほど、回答の細部は崩れていきます。同じ容量で片方が4bit、もう片方が2bitにしかならないなら、比較の土俵に乗っているのは4bitで入るほうだけ。そう考えたほうが実態に合います。それぞれのファイルサイズはDeepSeek-R1 Distill Qwen 32BとQwen3 32Bのページに量子化別で載せています。
選び分けの目安
DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bを選ぶ場面
VRAM 24GB向け推論モデル
- 長いコンテキストを使う
- 必要メモリ 22GB・4bitで動く機種 45件
Qwen3 32Bを選ぶ場面
VRAM 24GBで動かせる最大級のdense型モデル
- メモリに余裕がない(0.1GB少なく済む)
- 日本語での利用が中心
- より新しく公開されたモデルを試したい(2025-04公開)
- 必要メモリ 21GB・4bitで動く機種 45件
回答の品質そのものは、用途と日本語の相性で変わります。当サイトはベンチマークを実施していないため、品質の優劣は主張しません。両方とも手元のPCで動くなら、実際に同じ質問を投げて比べるのが確実です。
迷ったときの決め方
容量を確かめても、ここでは決着しません。24GBでQ4_K_M(21.5GB)、32GBでQ6_K、48GB以上でQ8_0と、2本の量子化はぴったり重なります。分かれるのは文脈の想定です。DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bは131,072トークンまでを見込み、Qwen3 32Bの標準は32,768トークン、配布元の説明ではYaRNで131,072トークンまで伸ばせます。
KVキャッシュは1トークンあたり256KBと重く、必要量は32,768トークンで27.5GB、131,072トークンでは51.5GBです。24GBのGPUでは8k前後が上限と見ておくのが安全。長い入力を日常的に渡すなら、48GB級を用意する話になります。
よくある質問
DeepSeek-R1 Distill Qwen 32BとQwen3 32B、必要なメモリはどちらが少ない?
Qwen3 32Bが約21GB、DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bが約22GBで、差は約0.1GBです(どちらも4bit相当・コンテキスト8,192トークン込み)。
どちらが速く動きますか?
DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bはdense型、Qwen3 32Bはdense型です。GeForce RTX 4090で計算するとDeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bが約34 tok/s、Qwen3 32Bが約34 tok/sで、Qwen3 32Bのほうが速くなります。読み出す量は重みだけでなくKVキャッシュも含むため、アクティブパラメータが小さいほうが必ず速いとは限りません。
VRAM 16GBのGPUで両方動きますか?
DeepSeek-R1 Distill Qwen 32Bは4bitではVRAMに収まりません。Qwen3 32Bは4bitではVRAMに収まりません。